私たちの使命 | 一般社団法人 日本動物共生支援協会
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私たちの使命
人と動物が共生できる幸せな社会の実現に向けて!
私たちの使命

近年、人と動物の関係が非常に密接になりました。

人が動物に「癒し」を求める関係から、人と動物が「癒し、安らぎ、喜び」を共に分かち合える社会を築くため、環境整備が少しずつ進んでいます。

一方で、心ない人による動物虐待や飼育放棄により行き場を失い、最終的には殺処分される悲しい末路をたどる子が後を絶たないのも現実です。
こうした現実から目を背けることなく、「人と動物が共生できる幸せな社会の実現」に向けて邁進していくのが私たちの使命です。

現実を知ること

不幸な動物を救うには、何をどうすればよいのでしょう?

私たちは、まず皆に悲しい現実を知っていただくことだと考えています。
現実を知るからこそ問題がわかる、問題がわかるからこそ原因がつかめる、そして原因がわかるからこそ、一歩ずつ改善への道を歩めるのではないでしょうか。

殺処分による悲しい現実

私たち人間にとって動物はかけがえのない存在でなければなりません。

しかし飼育放棄され、行き場を失った動物たちの尊い命が殺処分され失われている悲しい現実をご存知でしょうか?
環境省の統計によると平成20年度には、実に約276,000頭もの尊い命が殺処分により奪われました。

近年、殺処分ゼロを推進される行政、関係団体、ボランティアの方々の活動もあり、10年後の2018年度には、約38,000頭と減少傾向となり、殺処分ゼロを達成した自治体もあります。 しかし、いまだ無くなったわけではないのです。

殺処分ゼロに向けて

「殺処分ゼロ実現」に向けて行動することは険しい道のりです。

殺処分が減少した、殺処分ゼロを実現した・・・本来であれば喜ぶべきことです。

しかしこれは表面上の解決であり、反面は、殺処分から救われる命が多ければ多いほど、保護される子の養育、里親探しなど、心温かい方々の負担が増え続けるという問題もあるのです。

では、この問題はいつ終りを迎えるのでしょうか? 
今のままではイタチごっこでしかありません。
つまり殺処分ゼロ実現を目指し、なおかつ保護される子を減らすために、私たちは何をしなければならないでしょうか?

飼育放棄をなくし終生飼養の徹底を

それにはまず、飼い主の飼育放棄を無くすことではないでしょうか?

動物の飼い主や所有者の責務として終生飼養が動物愛護管理法により義務付けられています。

それでも飼育放棄される悲しい子がいます。
ではなぜ飼育放棄が起こるのでしょうか?

それは、飼い主の都合です。飼育放棄に至るまで何かしらの理由や原因はあるでしょう。
また飼い主の怪我や病気、死亡など止む終えない事情もあるでしょう。

だからこそ動物の飼育は安易に行うものではありません。
動物は、物ではなく命ある生き物であることを深く認識し、その子の命を生涯預かり終生飼養する責任と覚悟が必要なのです。
まず、飼育する前によく考える、少しでも無理だと思うなら飼育するべきではありません。
また今現在、大切に愛情を持って飼育されている飼い主様も、万一、飼育ができない場合の事を考え、準備しておく必要があるのではないでしょうか?

適正な飼育頭数

飼育放棄は、個人の飼い主だけの問題ではなく、動物愛好家やブリーダー、そして保護活動をされている方でも発生しています。動物が好きだからこそ「私が助けなければ」という強い使命感により気持ちを抑えられず、過剰に頭数を増やし、世話できる限界を超えてしまうことや、また悪質なのは無計画、無責任な乱繁殖を繰り返すブリーダーにより多頭飼育が崩壊してしまうこともあるのです。

令和2年に環境省は、動物愛護管理法を改正し、一人あたりの飼育頭数を数値化しました。
今後、飼育放棄や虐待、無責任、無計画な乱繁殖による過剰飼育は厳しく取り締まられます。

しかし本来ならば、この問題を法律で定めなければいけない事なのか考えると悲しくなります。
飼育頭数が多ければ、全ての子に手が回らず、清潔な環境の維持や適切な飼育が困難になる場合があります。少なくとも動物が好きであるならば、自身が愛情を持って飼育出来る頭数を把握できるのではないでしょうか?
悲しい子を増やさないためにも、適正な飼育頭数を遵守していただきたいものです。

殺処分ゼロの実現、それは始まりの一歩

嬉しいことに、昨今は殺処分数が年々減少傾向にあります。
しかし「殺処分の減少」「殺処分ゼロの実現」は、あくまでも活動の通過点であり、ゴールではありません。
つまり殺処分を回避した時点では、まだ彼らの命を救う第一段階にすぎず、そこからが私たち協会の本当のスタートになるのです。

関係団体及びボランティアへの支援

幸いにも殺処分から命が救われた・・・悲しいことに、それは表面上の救済なのです。
では、行き場を失った動物達は、どこに向かうのでしょうか?

飼い主に捨てられ悲しい思いをした子、虐待され苦しい思いをした子を誰が救ってくれるのでしょうか?
こうした悲しい現実に直面すると、誰しも救いたい気持ちは同じではないでしょうか。
私が助けると言いたいのです。
でも「救いたいけど飼えない」「思いはあるけど時間がない」「協力したいけど余裕がない」
そうなのです・・・思いや気持ちだけでは難しいのが現実です。

では、誰が彼らを引き取り世話してくれるのでしょうか?
もちろん誰かが、彼らの受け皿として保護し養育しなければなりません。
「誰かとは?」 「動物愛護団体?」 「ボランティア?」
そうです。
現状の大半は、尽力してくださる関係団体、ボランティアの方々の善意ある協力がなければ成り立たないのです。

また救われる命が、多いほど養育、治療、施設の建設や設備など表側から見えない労力と費用の負担があり、せっかく心ある人が手を差し伸べ、救われた命も様々な障害により、多頭飼育崩壊など第2,第3の問題が発生しているのも現実です。
つまり殺処分対象から救われた命は、その時点では延命されたに過ぎず、その子たちを、本当に幸せに暮らせる社会に導いてあげるには、まだまだ険しい道のりを歩まなければならないのです。

私たち協会は、こうした現実を真摯に受け止め、殺処分に至るまでの背景や原因を根本から改善、改革することを責務と考え行動してまいります。
そして裏側で活躍してくださる関係団体やボランティアの皆様を応援し、支援させていただくのが私たちの責務なのです。

動物への愛情と尊厳

動物の適正な飼育とは? よく問われる質問です。

答えはいつも同じです。あなたの愛情を十分に注いであげることです。
人間が飼育すること、それは家族としてパートナーとして受け入れてあげることなのです。
そして深い愛情を持って接してあげること、また、互いに信頼関係を築くこと、それが一番の幸せではないでしょうか?

動物に対しての「愛情」と「尊厳」があれば、身動きの取れない狭いオリに入れっぱなし、掃除もしない、食べ物もろくに与えない、散歩や運動もさせない、こんな酷い飼育が出来るでしょうか?

動物は、物ではありません。
命ある生き物であるということを深く考え、「愛情」と「尊厳」を持って共生しなければなりません。そして動物も私たち人間と同じ、幸せになる権利があるのです。

飼育環境の改善

しかしながら劣悪な環境で飼育する悪質なブリーダー、ペットショップ、団体や個人が一部に存在するのも現実です。

こうしたことから環境省は、動物愛護管理法を改正し飼育頭数と飼育施設の大きさや構造を数値規制することにより、劣悪な環境、悪質な飼育をする飼い主を厳しく取り締まることになりました。

動物を飼育するには、その子が快適に過ごせる飼育環境を事前に準備してあげなくてはなりません。
そして日々の清掃により、清潔な環境を維持してあげなければいけません。
当然ですが、動物は成長します。
小さくて「カワイイ」と安易な気持ちで飼い、大きくなったので飼育できないでは済まされないのです。
家が小さく狭いのが理由ならば、その分しっかり散歩をしてあげるなど動物にストレスを溜めさせない飼育へと改善に務めねばなりません。
場所、広さ、居心地、清潔さなど、動物が快適に暮らせる環境作りに愛情を持って努めていただきたいものです。

動物を飼育する責任感と意識改革

今現在動物を飼育されている方には、さらなる愛情を持って、またこれから飼育しようと考えている方には、命ある生き物であることを理解し、生涯飼育するという責任感、必ず幸せにしてあげようと思う深い愛情、この気持と覚悟が必要であることを十分理解していただきたいものです。

率直に申し上げますと、愛情を持てないのであれば飼育しないでほしい、動物に関わってほしくないというのも本音ではありますが、劣悪環境で飼育される動物が減少することを目標に改善に向けて、飼い主の意識改善と改革を啓発することも私たちの任務なのです。